【8月27日 AFP】ロシア紙コメルサント(Kommersant)は26日、米当局による極秘の個人情報収集プログラムの存在を暴露した米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が、6月下旬にモスクワ(Moscow)に渡航する前に滞在していた香港(Hong Kong)でロシア当局に接触し、ロシア総領事館に数日間滞在していたと報じた。

 同紙はこの情報を元職員に近い筋から入手。同紙にこの情報を確認した欧米の情報源によると、ロシア当局がスノーデン元職員をロシアに招いた可能性もあると、欧米諸国はみている。

 ロシア政府筋は同紙に対し、スノーデン元職員がモスクワに渡航する直前、香港のロシア総領事館に2日間滞在していたことを認めたが、ロシア側が招いたわけではないと言明。モスクワを経由して中南米に渡ることを計画していた元職員に、難民の権利に関する国際条約に基づいた協力を要請されたと説明した。

 ロシアのドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は当時、AFP通信に対し、スノーデン元職員のロシア渡航計画について露政府は全く知らなかったと述べていた。

 スノーデン元職員は6月23日にモスクワに渡ったが、翌日に予約していたキューバ行きの便には搭乗しなかった。これについてコメルサント紙は複数の消息筋の話として、元職員が搭乗しなかった理由は、米政府からの圧力を受けたキューバ政府が、元職員が乗った航空機の着陸を拒否する姿勢を示したためだとも報じている。

 元職員はその後、1か月以上にわたりモスクワのシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港のトランジット(乗り継ぎ)区域に足止めされた。最終的にロシア政府から一時的亡命の許可を与えられたが、この措置は米露関係をさらに悪化させることになった。(c)AFP