【8月14日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は13日、訪問先のパキスタンで行った演説で米軍の無人機による攻撃について触れ、無人機は国際法の範囲内で運用しなければならないと呼び掛けた。

 米中央情報局(CIA)は2004年以降、パキスタン北西部で武装勢力を標的にした空爆を数百回にわたって行っており、無人機攻撃は米国とパキスタンの間の最大の問題の1つとなっている。

 無人機による攻撃について、米政府は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)やイスラム武装勢力タリバン(Taliban)との戦いにおける重要な手段と捉えているが、一方のパキスタン政府は主権を侵害するもので国際法にも違反していると非難している。

 イスラマバード(Islamabad)のパキスタン国立科学技術大学(National University of Science and Technology)で演説した潘事務総長は、「これまで一貫して何度も述べてきたように、武装無人機はその他の兵器と同じく、国際人道法など、長い歴史のある国際法に従って用いられるべきだ」と述べた。

「国連は極めて明確な立場をとっている。誤爆と民間人の犠牲者を防ぐために全力を尽くすべきだ」(潘事務総長)

 米国は無人機による攻撃が適法であると主張しており、5月にはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が、無人機の運用についての厳格なガイドラインを定めている。(c)AFP