【8月13日 AFP】米カリフォルニア(California)州のジェリー・ブラウン(Jerry Brown)州知事は12日、トランスジェンダー(性別越境者)の生徒が、公的書類に登録された性別ではなく、自認する性別に応じて学校のトイレや男女別のスポーツ活動を選べるよう定めた法案に署名、同法は成立した。

 法案支持派は、学校でのいじめが減るとして、新法を歓迎している。法案を起草したトム・アミアノ(Tom Ammiano)州議会議員(民主党)は「トランスジェンダーの生徒の存在は、他の生徒の居心地を悪くさせるかもしれない。だが、新しい経験は居心地の悪いものとなりがちだ。だからといって、偏見を許す言い訳にはならない」と述べている。

 一方、反対派からは、新法によって生徒の学習に支障が出ることを懸念する声が上がっている。新法に反対するキリスト教団体「カリフォルニア・カトリック・カンファレンス(California Catholic Conference)」は、新法が悪用されることにより、生徒の学習環境に悪影響を及ぼす恐れがあると主張している。

 全米一の人口を抱えるカリフォルニア州は、国内全土で激しさを増す同性愛者やトランスジェンダーの権利に関する議論の最前線に立っている。同州では、米連邦最高裁が6月に下した判決により、一度は住民投票によって禁じられた同性婚が5年ぶりに解禁となった。(c)AFP