プーチン大統領を痛烈批判、ロシアのTV局が放送事故
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【8月9日 AFP】ロシアの地方テレビ局が、夕方のニュース番組の途中、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領による「悪行」を伝える映像を誤って放送するという事故があった。経営陣に不満を抱くテレビ局のスタッフが故意に映像を差し挟んだものとみられる。
この事故が起きたのは、先月31日、ウラル(Ural)地方チェリャビンスク(Chelyabinsk)の「イースタン・エクプレス(Eastern Express)」というテレビ局で、同局のニュース番組内で女性アナウンサーが地域病院の新設備についての明るいニュースを読み上げていたところ、「プーチンの時代は、あらゆる国際人権団体からロシアに対する批判を招いている」との音声が入った映像に突然切り替わった。
事故が起きた1週間後、映像が動画共有サイト「ユーチューブ(Youtube)」に投稿され、ロシア中の注目を集め始めた。地元のニュースウェブサイト「Znak.com」は、同局の経営陣と対立したディレクターがこの映像を放送したと報じている。同局はもともと親大統領色が色濃いメディアとされていた。
放送された映像は、プーチン政権に批判的だったロシア人ジャーナリスト、アンナ・ポリトコフスカヤ(Anna Politkovskaya)さんが2006年に暗殺された事件をプーチン大統領と関連付けたり、就任当時に発生したテロ攻撃のおかげで同大統領の支持率が上昇した、などの内容だった。ニュースウェブサイト「Gruzia Online」によると、この映像はグルジアのロシア語放送局「TV PIK」で制作されたものだという。(c)AFP