【8月4日 AFP】アフリカ南部のジンバブエで7月31日に投票が行われた大統領選と国会・地方議員選挙の公式結果が3日発表され、現職のロバート・ムガベ(Robert Mugabe)大統領(89)が得票率61%を獲得して圧勝し、議会でも圧倒的多数の議席を獲得した。一方、対立候補のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)首相の得票率は34%と伸び悩み、選挙が不正に行われたのではないかという抗議の声が上がっている。

 ムガベ大統領は、1980年にジンバブエが英国から独立して以後33年間、同国で政権の座についている。これまで数々の経済危機を経験し、また不正選挙や残忍な弾圧を行って国連(UN)の制裁を受け、世界から孤立してきた。

 欧州諸国は今回の選挙の公正性に対する不信感を表明したが、ムガベ派の中心人物であるエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)国防相は、「民主的な選挙が行われた」として、選挙結果を受けて欧州諸国はジンバブエへの姿勢を変えるべきだと述べた。

 一方、これまで大統領選で3度ムガベ大統領に挑んだが1度も成功に至らなかったツァンギライ首相は、今回の選挙は「不正に操作された」と非難している。  同首相は法廷で決着をつけるつもりだと断言。同氏が率いる野党・民主変革運動(Movement for Democratic ChangeMDC)は、新政権には参加しないと述べた。

 ツァンギライ首相はムカベ大統領に反逆罪の容疑で拘束され、不当な扱いを受け、たびたび権力を行使して裏をかかれたこともあったが、危機的状況にある経済の安定化とさらなる流血の事態を回避するため4年前にムガベ大統領と連立政権を組み、その決断をこれまで守り続けてきた。(c)AFP/Susan NJANJI, Reagan MASHAVAVE