【8月1日 AFP】米国の情報機関に対し「平均的なユーザーがインターネット上で行うほぼ全てのこと」の監視を可能にする「XKeyscore」と呼ばれる秘密の監視システムの存在が31日、英紙ガーディアン(Guardian)によって明らかにされた。

 同紙は米当局の市民監視プログラムを暴露して訴追された米中央情報局(CIA)の元職員、エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が提供した機密文書を引用し、プログラムは米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が最も幅広く利用していたものだと伝えた。

「XKeyscore」の存在について同紙は、「米政府関係者の一部は否定しているものの、スノーデン氏のこれまでの主張が正しいことを裏付けるものだ」と指摘している。スノーデン氏は、「NSAでは電子メールのアドレスさえ分かれば、会計士でも連邦判事でも、大統領でさえも、盗聴の対象とすることができた」と語っていた。

 一方ホワイトハウス(White House)はこうしたプログラムへのアクセスについて、一部の許可を得た職員にしか認められておらず、乱用を防ぐため複数の「抑制と均衡」のシステムも導入されていると主張している。

 ガーディアン紙はまた、自社のウェブサイトで、NSA職員の研修向けの資料とみられる「XKeyscore」プログラムの機能を説明した一連のスライドを公開した。

 このスライドによれば、米国の情報機関の職員は「XKeyscore」があれば、標的のオンライン上の行動をほぼ全て、リアルタイムで監視することができる。こうした活動には、電子メールのやりとりの他、ウェブの閲覧、検索、ソーシャルメディアの利用などが含まれている。(c)AFP