【7月21日 AFP】ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)大統領からバラク・オバマ(Barack Obama)大統領まで、歴代の米大統領を取材してきたホワイトハウス(White House)担当のベテラン記者、ヘレン・トーマス(Helen Thomas)氏が20日、死去した。92歳だった。

 ワシントンD.C.(Washington D.C.)のジャーナリスト団体「グリディロン・クラブ(Gridiron Club)」は、「長く病気を患っていたトーマス氏は、ワシントンの自宅アパートで20日午前に亡くなった。来月の誕生日で93歳になるはずだった」とのコメントを発表した。トーマス氏は同クラブの元会長で、女性初の会員でもあった。

 トーマス氏はホワイトハウスの記者会見室の最前列にある「指定席」から、歴代の大統領に手強く辛辣な質問の数々を投げかけてきた。長期間にわたってホワイトハウス担当の記者を務めていた同氏は、定位置に個人の氏名が書かれた椅子が置かれるという特権を得ていた。

 死去の知らせを受け、多数の人たちからその死を悼むコメントが寄せられている。オバマ大統領は、「ジャーナリズムの世界で働く何世代もの女性たちにとって、トーマスさんは真の先駆者だ。いくつもの扉を開き、いくつもの壁を打ち破ってきた」との声明を発表した。

 大統領はまた、「トーマスさんがホワイトハウス記者会(White House Press Corps)の最古参になれたのは、長期間にわたって同じ仕事を続けたからというだけではない。厳しい質問を投げかけ、指導者に説明を求めることで、われわれの民主主義が最善の形で機能するという非常に強い信念を持っていたからだ」として、その功績を称えた。(c)AFP