【7月21日 AFP】3年間にわたって凍結されてきた和平交渉再開に向けてイスラエルとパレスチナが基本合意に達したことについて、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は20日、和平交渉再開はイスラエルにとって「戦略的に極めて重要」だとする声明を発表した。

 ネタニヤフ首相は声明文の中で、「われわれとパレスチナ人との紛争に終止符を打とうと努力することが重要だ。なぜなら、われわれは今、多くの問題、とりわけイランとシリアの挑発に直面しているからだ」と述べた。

 ジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官が19日夜にイスラエルとパレスチナが和平交渉のための直接協議再開で基本合意したと明らかにしたことについてネタニヤフ首相がコメントを発表したのはこれが初めて。

 両者の直接交渉は、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)と東エルサレム(East Jerusalem)でのイスラエルの入植活動をめぐる対立で2010年に中断し、それ以降は行われていない。

 ネタニヤフ首相は直接交渉再開に向けた中心的な目標として、「ユダヤ国家の将来を危険にさらす2国共存の阻止、およびイスラエル領内におけるイランの支援を受けた新たなテロリスト国家の建設阻止」の2つを挙げた。

 しかしネタニヤフ首相は、和平交渉再開に向けてパレスチナとの間でどのような合意があったのかについては詳しい言及を避け、「イスラエルの安全保障上の要求とイスラエルにとって死活的な国益について主張するつもりだ」と述べるにとどめた。(c)AFP/Jonah MANDEL