【7月16日 AFP】スペインのマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相は15日、汚職スキャンダルをめぐり野党から辞任要求が出ていることについて、辞任の意思はないと表明し、金融危機に陥っている自国経済の再建に尽くすと述べた。

 ラホイ首相は90年代後半、閣僚を務めていた時期に、所属する国民党(Popular Party)を通じて不正献金を受け取っていた疑惑が持たれている。

「スペイン国民が私に与えてくれた責務を全うする」と、ラホイ氏は記者団に語り、深刻な不況から脱却し、財政の健全化に向けた取り組みを続けるためにも、「政治的な安定を守る」と述べた。汚職疑惑については、いかなる不正も行っていないと否定した。

 不正献金疑惑は、今年1月にスペイン紙が国民党幹部に不審な金が渡ったことを示すとされる帳簿のコピーを掲載したことで明るみになった。その後さらに党の裏帳簿とされるものがリークされ、ラホイ氏の関与も指摘されるようになった。裏帳簿とされる文書のコピーによれば、ラホイ氏は1997年から2008年にかけて、1年に2万5200ユーロ(約330万円)ずつ受け取っていたとみられる。(c)AFP/Elodie CUZIN