【7月15日 AFP】エジプトの検察当局は14日、ムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領と彼の出身母体であるイスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」のメンバーらを、2011年の革命時に脱獄した疑いで事情聴取した。司法当局の情報筋がAFPに明かした。

 モルシ氏とムスリム同胞団のメンバー数十人には、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)元大統領の長期独裁政権を退陣に追い込んだエジプト革命のさなか、当時収監されていたワディ・ナトルーン(Wadi Natrun)刑務所から脱獄した疑いがかけられている。裁判所は先月、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)とレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(Hezbollah)が、脱獄を手助けしたと指摘した。

 前出の情報筋によれば、モルシ氏がどこで事情聴取を受けたかは不明。モルシ氏は、反大統領デモの拡大と軍によるクーデターで失脚した3日以降、公の場に姿を見せていない。

 暫定政権によれば、モルシ氏は「身の安全のため、安全な場所で保護されている」というが、米国やドイツは前大統領の解放を求めている。(c)AFP/Simon MARTELLI