【7月12日 AFP】メキシコ・オアハカ(Oaxaca)州の小さな町、サン・アグスティン・アマテンゴ(San Agustin Amatengo)の町長選で、約3年前に死亡したはずの男性が当選するという珍事が起きた。

 カルバリド・モラレス(Leninguer Raymundo Carballido Morales)氏は7日の選挙に、保守・左派連立の候補として立候補し、わずか11票差で勝利した。ところが、2010年にモラレス氏の死亡届が出され、受理されていたことが判明。検察当局は、モラレス氏が2004年に起きた女性集団暴行事件に関与したとして逮捕される事態を回避するため、死んだように見せかけたのではないかとみて捜査を開始した。

 モラレス氏は選挙戦で、集会に出席したりメディアのインタビューを受けるなど、生き生きと選挙運動を行っていた。

 しかし投票日の2日前に地元紙が、モラレス氏の弁護士が2010年に偽造した死亡診断書を提出したと報道。死亡届の死因の欄には、糖尿病性昏睡に陥った後「自然死」したと記されていたという。

 モラレス氏を擁立した連立に参加している左派・革命民主党(Democratic Revolution PartyPRD)の地元幹部は、AFPの取材に、同氏の罪が立証された場合は「代わりの人物が町長にならなければならない」と述べた。

 モラレス氏は投票前夜、SNS最大手フェイスブック(Facebook)の公式ページに「自分と結び付けられた事件に関して」検察当局に出向いたが、事件に関与したとの容疑は「全くのでっち上げ」だと書き込み、自身がまだ死んでいないことを有権者らに改めて示している。(c)AFP