【7月8日 AFP】米国家安全保障局(National Security AgencyNSA)による極秘の個人情報収集プログラムを内部告発した米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者(30)が、ロシア首都モスクワ(Moscow)の空港のトランジット(乗り継ぎ)区域で潜伏を始めてから半月が経過した──。ボリビア、ベネズエラ、ニカラグアの3か国が亡命の受け入れを表明しているが、目的地への経路模索は非常に難しいものとなりそうだ。

 米露は犯罪人引き渡し条約を結んでいないため、米政府はロシア側に対し、「善意の行為」としてのスノーデン容疑者の引き渡しを求めている。しかし、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領はこれを拒否しており、スノーデン容疑者に対しては、早く渡航先を決めるべきと述べている。

 またロシアのベテラン国会議員の1人は、スノーデン容疑者にベネズエラへの亡命を決めるべきとしている。ただ潜伏しているシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港から中南米へ向かう便は、全てキューバ経由となっており、そのキューバはこの問題をめぐって、一貫して口を閉ざしたままだ。

 もしスノーデン容疑者が航空機に搭乗した場合、欧州の国による妨害行為を受ける可能性がある。先週、ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領を乗せた航空機に同容疑者が搭乗していると疑った欧州の複数の国は、航空機の領空内通過を拒否している。(c)AFP/Dmitry ZAKS