【7月6日 AFP】軍によるクーデターでムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が解任されたエジプトでは5日、前大統領を支持する数万人が国内各地で抗議デモを行い、反モルシ派のデモ隊や治安当局と衝突、少なくとも26人が死亡した。

 モルシ氏の出身母体である「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」などのイスラム主義組織で構成される連合は6日未明、「平和的な抗議デモを続ける」との声明を発表、エジプト初の民主的な選挙によって大統領に選出されたモルシ氏を復職させるよう、軍に要求した。

 エジプトの中東通信(MENA)によると、地中海沿岸の都市アレクサンドリア(Alexandria)では、モルシ氏支持派と反対派が衝突し、少なくとも12人の死者が出た。シナイ半島(Sinai Peninsula)では、武装集団による襲撃で警官5人が死亡した他、イスラム主義勢力によるマシンガンやロケット弾を使った攻撃で、兵士1人が死亡した。

 モルシ氏は3日以降、公の場に一度も姿を見せていないが、大統領職解任から数時間後に放送された演説の中で、選挙で選ばれた自らの「正統性」を守るよう、支持者らに訴えていた。(c)AFP/Samer al-Atrush, Sarah BENHAIDA