【7月1日 AFP】英議会が貴族院(House of Lords、上院)議員とゲストが使用する2つのトイレを改装することが30日、明らかになった。費用は最大で10万ポンド(約1500万円)に上るという。

 英下院(House of Commons)が入札にかけた契約によると、このトイレは1937年に設置されたもので、過去20年間改装されておらず、「耐用年数の終わりを迎えている」という。

 契約書によると、「同トイレ施設は、その置かれている場所の知名度に比べて許容できない状態にあり、(英国議会が議事堂として利用している世界文化遺産の)ウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)にみすぼらしい印象を与えている」「同施設を緊急に改装し、世界遺産にふさわしい水準にすることが必要である」

 契約では、男性用トイレの個室1つと男性用小便器2つ、女性用トイレの個室1つを改装することになっており、契約価格は9万~10万ポンド(約1360万~1500万円)とされている。

 工事には障害者用トイレ1つの導入と女性用個室1つの追加も含まれている。また、英国の重要文化財建築物に求められる高品質のオーク材の羽目板が張られる。

 減税を求める英市民団体「納税者同盟(Taxpayers' Alliance)」のマシュー・シンクレア(Matthew Sinclair)氏は、改装費用は「涙が出るような」金額だと述べ、「これだけのお金があれば家を1軒建てられる」とつけ加えた。(c)AFP