【6月28日 AFP】南アフリカの首都プレトリア(Pretoria)の病院に入院し、危篤状態が続いているネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領(94)の容体は27日、改善の兆候を示した。

 ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は、マンデラ氏の容体について「依然として危篤だが、今は安定している。今日の容体は大きく改善した」と伝えたが、それ以上の詳細には触れなかった。同大統領は、マンデラ氏のそばにいるために、予定されていた外遊を急きょ中止している。

 マンデラ氏が肺感染症の再発のため6月8日から入院している病院には同日、大勢の親族が集まっていた。そのうちの1人、ナピリシ・マンデラ(Napilisi Mandela)さんは26日夜、元大統領は「呼吸するための機械を付けている」とAFPに語っている。

 26日からアフリカを歴訪中で、現在セネガルを訪れている米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、マンデラ氏について「彼は私の個人的な英雄だ」と述べた。「彼は世界にとっての英雄だと思う。彼がここを去る時には、彼の功績が時代を超えて受け継がれていくということを、われわれ全員が確信しているだろう」

 オバマ氏は、当時学生だった1970年代後半に反アパルトヘイト運動を行っていた際、政治活動に着手していく上でマンデラ氏がいかに自らを奮い立たせてくれたかという思い出も語った。オバマ氏は28日にプレトリアへ到着することになっている。(c)AFP/Jan HENNOP