【6月25日 AFP】カタールのハマド・ビン・ハリファ・サーニ(Hamad bin Khalifa al-Thani)首長(61)は24日、タミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)皇太子(33)に権限を移譲した。

 ハマド首長はテレビ演説で、「本日、権限をタミム・ビン・ハマド・サーニ皇太子へ移譲することを発表する。(この決定は)若い指導者が旗を持つ新たな時代の始まりだ」と述べた。

 タミム皇太子は湾岸アラブ君主国で最年少の国家元首となった。

 独裁的な指導者による支配が数十年にわたり続いてきたアラブ諸国では、近年の民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」により、チュニジアやエジプト、リビアで政権が転覆しているが、カタールはこの間、外交的に重要な役割を果たした。

 ハマド首長は、1995年に実父であるハリーファ首長に対する無血クーデターで政権を奪取。カタールの膨大なガス資源をてこに近代化を進め、同国を国際社会の主要国の一つに変身させた。

 一方、1980年生まれのタミム皇太子は、ハマド首長の4男で第2夫人との2人目の子ども。天然ガス資源が豊富で、西側諸国と友好的な関係にあるカタールの次期国家元首となるべく育てられてきた。(c)AFP