【6月25日 AFP】カタールのハマド・ビン・ハリファ・サーニ(Hamad bin Khalifa al-Thani)首長(61)は24日、首長家のメンバーや同国の権力者らを集めた会合で、タミム・ビン・ハマド・サーニ(Tamim bin Hamad al-Thani)皇太子(33)に権限を移譲する意向を表明した。同国の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)が伝えた。

 外交筋によると、国家元首が自ら権力を譲渡するのはアラブ世界では初めてとなるという。タミム皇太子はペルシャ湾沿いのアラブ諸国で最年少の国家元首になる。

 独裁的な指導者による支配が数十年にわたり続いてきたアラブ諸国では、近年の民主化運動「アラブの春(Arab Spring)」により、チュニジアやエジプト、リビアで政権が転覆しているが、カタールはこの運動で外交的に重要な役割を果たした。

 1980年に生まれたタミム皇太子は、ハマド首長の4男で第2夫人との2人目の子ども。長年にわたり、天然ガス資源が豊富で、西側諸国と友好関係にあるカタールの次期国家元首となるとみられていた。(c)AFP