【6月25日 AFP】南アフリカでは24日、反アパルトヘイト(人種隔離)の闘士、ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領(94)が依然として危篤だと発表され、国民は「最悪の事態」に備えて祈りをささげ続けた。

「マンデラ元大統領はまだ危篤状態のままだ。医師団は最善を尽くしている」と、ジェイコブ・ズマ(Jacob Zuma)大統領は記者会見で語った。

 マンデラ氏は今月8日、肺の感染症が再発したために緊急入院した。首都プレトリア(Pretoria)の病院で集中治療を受けていたが、この数日で容体が急に悪化したという。

「私たちはもうマディバ(Madiba、マンデラ氏の愛称)が高齢だという事実を受け入れないといけない」とズマ大統領は語った。「国として私たちに求められているのは、彼が回復するように祈ることだ」

 マンデラ氏の容体はこれまで「深刻だが安定している」と、南ア政府や家族から伝えられてきた。だがメディアではマンデラ氏の容体は入院当初から相当悪いのではないかという臆測が広まっていた。

 ズマ大統領と大統領報道官は、こうした臆測についてはコメントを避けた。だが一部のメディアでマンデラ氏が心臓発作を起こしたと報じられたことについては、そのような事実はないと否定した。(c)AFP/Andrew BEATTY