【6月19日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記が、ナチス・ドイツ(Nazi)の総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の著作『わが闘争(Mein Kampf)』を政権中枢の幹部らに配り、指導者マニュアルとして研究せよと命じた。脱北者が運営するニュースポータルサイト「ニュー・フォーカス・インターナショナル(New Focus International)」が報じた。

 同サイトが中国に滞在する北朝鮮高官の話として報じたところによると、金第1書記は1月の誕生日の際に、一部の幹部に『わが闘争』の翻訳版を渡したという。高官の名前は明かされていない。19日の韓国主要紙はこの報道を一斉に伝えた。「金正恩氏は、第1次世界大戦敗戦後のドイツをヒトラーが短期間で再建したことに触れ、第3帝国を深く研究し、そこから実践を導き出せと要求した」とこの高官は語ったという。

 また金氏は、ドイツの連帯強化と国内へのナチスのイデオロギー拡散にスポーツが重要な役割を果たしたことを強調し、北朝鮮でもスポーツを奨励する政策を行うよう求めたとされる。

 ニュー・フォーカス・インターナショナルの取材に応じた北朝鮮のビジネスマンは、平壌(Pyongyang)のエリート層の間では、金正恩氏がスイスに留学中にヒトラーを深く研究したとのうわさが以前からあると述べている。(c)AFP