【6月17日 AFP】イランの新大統領に選ばれた保守穏健派のハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)師(64)は16日、当選後初の声明を発表し、「過激主義」に対する勝利だと語った。

 また、国際社会に対しては、「イランが持つ権利を認識する」よう求めた。各国が非難する同国の核開発を念頭に置いた発言とみられる。ロウハニ師は「この偉大な勝利によって、新しい機会がもたらされた。民主主義と開かれた対話をうたう国々は、イランの人々に敬意を払い、イランが持つ権利を認識すべき」とし、そうすればイランは「相応の対応をする」だろうと述べた。同師は、国際社会との建設的な関係の構築を提唱している。

 一方、核政策を含めイランの軍事戦略の最終決定権を握る最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師も、ロウハニ師の勝利を祝福。「国民は、新大統領とその政府を支援するように」とウェブサイトに掲載した。

 核開発疑惑で欧米からの経済制裁を受け、経済が困窮するイラン。制裁の解除を目指すと公約したロウハニ師に、支持者らは期待を寄せる。

 しかし、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)に本部を置くシンクタンク「国際危機グループ(International Crisis Group)」のイラン専門家は、「ロウハニ師は、最高指導者ハメネイ師が決定権を持つイランの核戦略の中核を変えることはできない」と指摘する。(c)AFP