【6月14日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は14日、反政府デモの引き金となったイスタンブール(Istanbul)の公園再開発計画の工事を、一時見合わせると発表した。停止の判断についてデモの参加者らは、「前向きな動き」と歓迎している。

 こう着状態が続いていた政権側とデモ隊側との2週間にわたる対立で、緊張緩和に向けた初めての大きな動きとなった。反政府デモは、イスラム主義に根差したエルドアン政権の10年におよぶ政治に対する大きな反発を露呈し、欧米からも批判を浴びていた。

 エルドアン首相がイスタンブール市内のゲジ公園(Gezi Park)に集結しているデモ隊に「最後通告」を発してから数時間後、エルドアン首相は初めて反対派の代表者らと対話し、衝突の鎮静化に向けて譲歩する姿勢を示した。

 反政府デモの中心的団体である「タクシム連帯(Taksim Solidary)」はテレビを通じ、「対話での前向きな成果は、(エルドアン)首相が裁判所が判断を示すまで開発計画は続行しないと説明したことだ」と語った。

 4時間におよんだ対話に同席した与党・公正発展党(AKP)のフセイン・チェリック(Huseyin Celik)副党首は、政府は裁判所の判断を尊重するとした上で、最終的には国民投票を実施するとした。ただゲジ公園に集結しているデモ参加者に対しては、抗議活動を中止するよう求めた。公園再開発計画に関する裁判所の判断が下されまでには、数か月を要する見通しだ。

 一方、チェリック副党首は、トルコ各地で起きた機動隊とデモ隊との衝突で、機動隊が「行き過ぎた手段」を行使していなかったか調査を進めていると語った。(c)AFP/Ceren KUMOVA