【6月14日 AFP】米共和党の超保守派議員が、昨年起きたコネティカット(Connecticut)州サンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)の銃乱射事件の凶器と同じ型の攻撃用銃器が抽選で当たる企画を自らのホームページで立ち上げ、物議を醸している。

 テキサス(Texas)州選出のスティーブ・ストックマン(Steve Stockman)議員は、来月4日の米国独立記念日(Independence Day)に「ブッシュマスター(Bushmaster)AR-15」が当たる抽選への応募を呼び掛けている。

 13日には米マイクロブログサービスのツイッター(Twitter)にも「IRS(米内国歳入庁)の職員でなくてもブッシュマスターAR-15は入手可能。7月4日にAR-15、1丁を無料でプレゼント!今すぐ応募を!」と投稿した。国税庁にあたるIRSの職員はAR-15の射撃訓練を行っていると噂されている。

 しかし、昨年12月に子ども20人、大人6人が死亡したサンディフック小学校銃乱射事件から半年を迎える14日、追悼行事のために首都ワシントンD.C.(Washington D.C.)を訪れている犠牲者の遺族たちは、ストックマン議員の一連の動きに衝撃を受けている。

 ストックマン議員はこれまでにも、銃規制強化に動くバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に対する批判を繰り返してきた。ツイッターに「オバマよりも先に銃をつかめ!」などと投稿したこともある。

 サンディフック小学校の事件を受けて民主党議員らは、銃購入者の身元調査の強化や、AR-15のような攻撃性の高い軍用銃の販売禁止などを盛り込んだ銃規制強化法案を提出したが、ストックマン議員ら強硬派議員や強い影響力を持つ全米ライフル協会(National Rifle AssociationNRA)らロビー団体の抵抗に遭い、法案は内容を薄められた挙句、上院で否決された。

 米議員の中でもストックマン議員は執拗(しつよう)で攻撃的な発言で知られる。自身のウェブサイトでは「乳児が銃を持っていれば、中絶されることはない」と書かれた自動車用ステッカーを販売している。(c)AFP