【6月7日 AFP】トルコでの大規模な反政府デモ発生から1週間となった6日、同国のレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は訪問先のチュニジアで、暴力的なデモの発端となった公園の再開発計画を続行するとの挑発的発言を行い、デモ隊をさらに激高させた。

 現地の報道によると、同国南部アダナ(Adana)では同日、デモへの対応中に負傷した警察官1人が死亡。一連の反政府デモと当局との衝突による犠牲者は計3人となり、同首相に対する圧力はさらに強まった。

 6日の発言でエルドアン首相は、デモ隊の中には「過激派」がいると述べ、デモのきっかけとなったイスタンブール(Istanbul)のゲジ公園(Gezi Park)の取り壊し計画は中止しないとの方針を改めて示した。

 6日までの4日間の日程で北アフリカを公式訪問中だったエルドアン首相は、イスラム教徒の支持を受け自らが率いる公正発展党(AKP)を批判するデモ隊には断じて屈しないとの強硬姿勢を貫き、自らの帰国までには万事収拾するはずだと語っていた。 しかし同首相の留守中にデモは激化の一途をたどり、主要都市でのデモを警察が催涙ガスや唐辛子スプレー、放水銃などを用いて鎮圧を図ったことで、医療関係者によると数千人が負傷したという。

 デモの中心地となっているイスタンブールのタクシム広場(Taksim Square)では、首相の帰国の数時間前から、数千人のデモ隊が旗を振り笛を吹き鳴らしながら集結し、「エルドアン、辞任せよ!」とのシュプレヒコールを繰り返した。

 7日未明にイスタンブールの空港に到着したエルドアン首相は、AKPの支持者数千人を前に、「民主主義的な信用を失い、破壊行為と化したデモを即刻やめるよう呼び掛ける」と述べた。(c)AFP