【6月4日 AFP】イスラエルがイランの核施設を空爆するためにイラクの領空を通過すれば、それなりの対応をさせてもらう──イラク政府がイスラエル政府に対して、このような警告をしていたことが分かった。

 イラクのフセイン・シャハリスタニ(Hussein al-Shahristani)副首相(エネルギー問題担当)が首都バグダッド(Baghdad)の執務室で行われたAFPのインタビューで明らかにした。イラク高官がイスラエルによる領空侵犯について公に警告を発したのは、これが初めて。イスラエルがイランを空爆する場合、イラン領空を通過するのが最短ルートとなる。

 シャハリスタニ副首相はまた、米国からはイラン攻撃のためにイラク領空を使用することはないという確約を得ていると語った。「(米政府は)われわれの周辺国を攻撃するためにイラクの領空や主権を侵害するようなことはしないと確約してくれた」。

 同副首相は「イスラエルに対しても、領空侵犯があれば重大な結果を招くだろうと警告した」と述べ、その警告は「イスラエルと関係のある国々」を通じてイスラエル政府に伝えられたという。

 イスラエルがイランの核関連施設を攻撃した場合、具体的にどのような行動に出るのかについては、「当然ながらイラクがそんな情報を明かすことはない。イスラエルがそれを考えればよい」と語った。(c)AFP/Prashant RAO