【5月27日 AFP】フランス・パリ(Paris)中心部で26日、今月成立した同性婚合法化法に抗議する大規模な抗議集会が行われ、一部の参加者が警官隊と衝突し96人が逮捕された。警察発表による参加者は15万人。一方、主催者側は100万人が参加したと発表した。

 デモ会場となった観光名所アンバリッド(Invalides、旧廃兵院)は、同性婚反対派のシンボルカラーとなっているピンク色と青色の旗で埋め尽くされた。与党・社会党本部前で極右活動家らがフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領の退陣を求める一幕もあったが、デモはおおむね平穏に行われた。

 しかし夕方になってデモが解散する際、警察によると最大500人ほどの若者らが警官隊に向かって金属製の通行止めバリアーや発煙筒、ビール瓶などを投げ始めたという。若者たちは「社会主義の独裁だ」などと叫び、取材していた記者らにも物を投げつけるなどした。警官隊は催涙弾で応酬し、96人を逮捕した。

 フランスでは5月18日、同性婚と同性カップルによる養子縁組が合法化された。数か月にわたって抗議行動を展開してきた同性婚反対派は26日のデモを土壇場の抵抗だとしており、当局は4500人規模の警備体制を敷いて極右活動家らへの警戒を強めていた。マニュエル・バルス(Manuel Valls)内相はデモに子供を連れて行かないよう呼びかけていたが、多くのデモ参加者は最近の緊張の高まりを気にすることなく家族連れで参加した。(c)AFP/Charlotte Plantive