【5月22日 AFP】参議院本会議は22日、国際結婚が破綻した夫婦間での子どもの連れ去りについての国際条約「ハーグ条約」への加盟を全会一致で承認した。日本は米国などの西洋諸国に何十年にもわたって加盟を要求されていた。

 ハーグ条約は、連れ去った子どもを、元の居住国に送還することを定めている。日本は主要8か国(G8)の中で唯一条約に加盟していなかった。

 これまで、北米や欧州の大勢の親(大半が父親)は、別れた日本人妻や夫に子どもを日本に連れ去られてしまった場合、対応手段が一切なかった。西洋諸国と異なり日本は離婚後の共同親権を認めておらず、離婚後には、ほぼ常に母親と子どもが暮らすことを命じる。

 米国議員らは長らく、日本に対応を求めていた。衆議院ではすでに先月承認されており、参議院が22日に承認した。だがハーグ条約が効力を持つためには、日本はいくつもの法的、行政的ハードルを乗り越える必要があり、日本政府は2014年3月までの批准を目指している。

 外務省に設置される中央当局が連れ去られた子どもの所在を確認し、当事者に話し合いによる解決を勧めることになるという。

 しかしこの法案は、家庭内暴力あるいは児童虐待の恐れがある場合には子どもの送還を親が拒否することを認めている。ハーグ条約加盟を進めてきた人々は不可欠な条項だと主張しているが、一部からは乱用のおそれがあるとの懸念も出ている。(c)AFP