【5月22日 AFP】イランで来月行われる大統領選で、穏健派のアリ・アクバル・ハシェミ・ラフサンジャニ(Ali Akbar Hashemi Rafsanjani)元大統領が立候補を禁じられたことが、同国内務省の21日の発表で分かった。

 1989~97年に大統領を務めたラフサンジャニ氏は、保守派が占める審査機関、イラン護憲評議会(Guardians Council)が承認した立候補者のリストから除外された。また、マフムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)現大統領の腹心であるエスファンディア・ラヒム・マシャイ(Esfandiar Rahim Mashaie)元大統領府長官も出馬が禁じられた。

 6月14日の大統領選で出馬が認められたのは、同国の最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師に近い保守派を主とした8人。ラフサンジャニ元大統領らが出馬を認められなかった理由は明らかにされていない。マシャイ氏は不服を申し立てる意向を示した。

■立候補者8人の顔ぶれ

保守派
・サイード・ジャリリ(Saeed Jalili)最高安全保障委員会事務局長
・モハマド・バケル・ガリバフ(Mohammad Baqer Qalibaf)テヘラン(Tehran)市長
・アリ・アクバル・ベラヤティ(Ali Akbar Velayati)元外相
・モフセン・レザイ(Mohsen Rezai)元革命防衛隊司令官
・ゴラムアリ・ハダドアデル(Gholam Ali Haddad Adel)前国会議長

穏健保守派
・ハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)元最高安全保障委員会事務局長
・モハマド・ガラジ(Mohammad Gharazi)元郵政通信相

改革派
・モハマド・レザ・アレフ(Mohammad Reza Aref)元第1副大統領

 8人の中ではジャリリ氏が最有力とされている。

 イラン護憲評議会は、候補者が同国の定める原則を遵守するという憲法上の要件を満たしているか審査する機関で、ハメネイ師から直接あるいは間接的に指名された人物で構成されている。今回の大統領選には、女性30人を含む686人が出馬を希望。大半は政界ではその名が知られていない人物だった。(c)AFP/Mohammad Davari