【5月17日 AFP】日本維新の会共同代表の橋下徹(Toru Hashimoto)大阪市長が、第2次世界大戦中に売春させられた「慰安婦」は軍に必要だったと述べた発言について、米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は16日の記者会見で「言語道断で不快だ」と非難した。

 サキ報道官は会見の中で「これまでにも米国が述べてきたように当時、性を目的に人身取引された女性たちの身に起きた出来事は嘆かわしく、とてつもなく重大な人権侵害であることは明白だ」とも指摘。

 さらにサキ報道官は、米政府として「改めて、犠牲者に対する深い同情の念を表す」「われわれは、日本が過去に起因するこれらの問題に対処するために、近隣諸国と共に取り組み続けることを期待する」と語った。

 一方、橋下市長は17日、米国側の批判にツイッター上で反論した。

 橋下氏は「もっと端的に言う。アメリカの日本占領期では日本人女性を活用したのではなかったのか」「自国のことを棚に上げて、日本だけを批判するアメリカはアンフェアだと指摘しなければならない」「米軍が現地女性に何をしていたのか、日本の占領期に特に沖縄女性に何をしていたのか、直視すべきだ」などとツイートした。

 また橋下氏は「ドイツもフランスも、慰安所方式を活用していたし、(中略)朝鮮戦争やベトナム戦争では慰安所方式が活用されていたという史実もある」ともツイートしているが、そうした主張の詳細や、どの軍の兵士たちが慰安所を使っていたかといった点には触れていない。(c)AFP