【5月16日 AFP】フィリピン中部・東ミンドロ(Oriental Mindoro)州の農村部にある人口約1万6000人のサンテオドロ(San Teodoro)町で行われた町長選挙で、上位2人の候補者の得票数が全く同じという結果が出、最終的にコイントスで新町長を決めるという珍しい出来事があった。

 町の選挙管理委員長がAFPの取材に16日に明かしたところによると、2人の候補は「決選コイントス」に同意。それぞれ5回ずつコインを投げて、表が出た回数の多い方を当選者とするルールで、選管事務所で勝負に臨んだという。

 ところが最初の勝負では、両者ともに表を2回ずつ出して引き分けるというドラマチックな展開に。2回目の勝負で、再び表を2回出した与党・自由党(Liberal Party)のMarvic Feraren候補が「幸運な」当選者に決まったという。2人の候補は「互いに結果を受け入れ、握手をし肩を抱き合った」と選管委員長は語った。

 フィリピンの選挙法では得票数が同率1位の場合、くじ引きで当選者を決定すると定められているが、コイントスもくじ引きの方法の1つとして認められている。今回、コイントスを監督した選管委員長は2004年にも、近隣の町の議会選でやはりコイントスで当選者を決定した経験があるという。(c)AFP