【5月16日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は15日、米内国歳入庁(Internal Revenue ServiceIRS)のスティーブン・ミラー(Steven Miller)長官代行を更迭したことを明らかにした。IRSは免税措置申請について、国内保守系団体からの申請を、より厳格な特別審査の対象としていた疑いが浮上しており、オバマ政権としてはスキャンダルの早い幕引きを図りたい狙いがあるとみられる。

 ホワイトハウス(Whitehouse)で記者会見したオバマ大統領は、命じてあったミラー長官代行の辞表をジャック・ルー(Jack Lew)財務長官から受理したと発表。このような問題が再発しないよう新たな審査体制およびセーフガードを設置すると約束した。

 また、この問題にオバマ大統領自身が関わっている可能性を指摘する共和党の追及を一蹴。行政監視権限を擁する議会と連携して問題の解決にあたると言明し、米司法省が14日に明らかにした同問題について「容認できるものではない」と強い口調で語った。

 IRSの当局者は10日、2011~12年度の税制審査において、非営利団体による免税申請で「ティーパーティー(Tea Party)」や「愛国者(Patriots)」などの言葉が見られたものを狙い撃ちして特別審査の対象としていたことを認めていた。(c)AFP