トランスセクシュアル女性に男性との結婚認める、香港最高裁 婚姻法改定迫る
発信地:香港
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【5月13日 AFP】香港(Hong Kong)でトランスセクシュアルの女性が男性パートナーとの結婚を認めるよう行政府に求めていた裁判の上告審で、香港終審法院(最高裁判所に相当)は13日、この女性の結婚を認める画期的な判決を下し、行政府に婚姻法の改定を迫った。
法律に従い匿名で裁判を進めていた30代の女性は、5年以上前に行政府の助成金を得て性別適合手術を受けた。しかし、下級審は「結婚は出生時に異性だった2人の間でのみ認められる」と判断。これに対し女性側が、手術後の性別は法律上認められており、下級審判決は香港特別行政区基本法(香港基本法)で保障されている権利を侵害するものだと主張して上告していた。
一方、行政府の婚姻登録所は、香港基本法では出生証明書の内容を後から変更することは認められておらず、この女性は出生証明書上で「男性」となっているため、男性パートナーとの結婚はできないと主張していた。
13日、香港終審法院の判事団(5人)は判決文で、「出生時の生物学的特徴だけに固執するのは道義に反している」と判断。従来の婚姻法が「原告の女性が持つ結婚の権利そのものを損なっている」との見方を示した。さらに、社会制度としての結婚の性質は、多文化主義の現代の香港によいては「広範囲に及ぶ変化を遂げつつある」とも指摘した。
女性は判決言い渡しの際には出廷しなかったが、弁護士を通じて声明を発表。「これまでの人生を女性として生きてきて、あらゆる面で女性として扱われてきたが、結婚に関する権利だけが違った。今日の判決は、それ(婚姻法)が誤りだったことを示した」と歓迎した。また、「恋人の男性といつか結婚したいという、ここ香港に暮らす他の女性たちとなんら変わらない私の願いが上告審で認められ、たいへん嬉しい。香港の全ての女性にとっての勝利だ」と述べた。
終審法院は、行政府の婚姻法改定に12か月の猶予期間を与えた。
女性の弁護団は以前から、中国本土や日本、オーストラリアなど多くの国で、トランスセクシュアルの人々が変更後の新しい性別で異性と結婚することを認めている点も強調していた。(c)AFP/Aaron Tam
法律に従い匿名で裁判を進めていた30代の女性は、5年以上前に行政府の助成金を得て性別適合手術を受けた。しかし、下級審は「結婚は出生時に異性だった2人の間でのみ認められる」と判断。これに対し女性側が、手術後の性別は法律上認められており、下級審判決は香港特別行政区基本法(香港基本法)で保障されている権利を侵害するものだと主張して上告していた。
一方、行政府の婚姻登録所は、香港基本法では出生証明書の内容を後から変更することは認められておらず、この女性は出生証明書上で「男性」となっているため、男性パートナーとの結婚はできないと主張していた。
13日、香港終審法院の判事団(5人)は判決文で、「出生時の生物学的特徴だけに固執するのは道義に反している」と判断。従来の婚姻法が「原告の女性が持つ結婚の権利そのものを損なっている」との見方を示した。さらに、社会制度としての結婚の性質は、多文化主義の現代の香港によいては「広範囲に及ぶ変化を遂げつつある」とも指摘した。
女性は判決言い渡しの際には出廷しなかったが、弁護士を通じて声明を発表。「これまでの人生を女性として生きてきて、あらゆる面で女性として扱われてきたが、結婚に関する権利だけが違った。今日の判決は、それ(婚姻法)が誤りだったことを示した」と歓迎した。また、「恋人の男性といつか結婚したいという、ここ香港に暮らす他の女性たちとなんら変わらない私の願いが上告審で認められ、たいへん嬉しい。香港の全ての女性にとっての勝利だ」と述べた。
終審法院は、行政府の婚姻法改定に12か月の猶予期間を与えた。
女性の弁護団は以前から、中国本土や日本、オーストラリアなど多くの国で、トランスセクシュアルの人々が変更後の新しい性別で異性と結婚することを認めている点も強調していた。(c)AFP/Aaron Tam