【5月12日 AFP】パキスタンの国民議会(下院)選挙(定数342)は11日に投開票が行われ、最大野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(Pakistan Muslim League-NawazPML-N)を率いるナワズ・シャリフ(Nawaz Sharif)元首相が勝利宣言をした。

 非公式の暫定結果によると、1999年の軍事クーデターで首相の座を退いたシャリフ氏が驚異の返り咲きを果たし、首相として次期政権を作る見通しだ。投票はタリバン(Taliban)系イスラム武装勢力が投票日の攻撃を予告し、投票日当日に24人の死者を出す中で行われたが、選挙委員会によると投票率は1977年以降で最も高い60%程度に達した。

 一方、シャリフ氏のライバルで元クリケット選手のイムラン・カーン(Imran Khan)氏が率いる「パキスタン正義運動(Tehreek-e-Insaf)」は、政治汚職をなくすと訴えて中間所得層と若者の支持を集めたが、今回の投票では敗北を認めた。カーン氏は同国北西部の次の地方選で勝利することを誓った。

 今回の選挙は、3度の軍事クーデターと4人の軍出身者による配者が続いたパキスタンで初めて選挙で選ばれた文民政権が任期を満了し、選挙を通じて次期政権に権力を渡す歴史的なものとなった。

 選挙戦では不振が続いているパキスタン経済、1日に20時間も停電することがあるエネルギー問題、米国主導の「テロとの戦い」への協力、慢性的な汚職、強く求められている開発の問題などが争点になった。

 非公式の途中結果によると、172議席の単純多数を単独で占める政党はない見込みで、連立政権樹立に向けた政党間協議は長引くと予想される。(c)AFP/Damon Wake