【5月10日 AFP】北朝鮮は10日、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)で8日に行われたバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領との会談について、「主人と家来との卑しい会合」と批判する声明を発表した。北朝鮮による今回の米韓首脳会談への言及は、これが初めて。

 6~9日までの訪米で朴大統領は、オバマ大統領との会談で北朝鮮に譲歩しない姿勢を示した他、米議会での演説では北朝鮮に核兵器の放棄を求めるとともに対話を呼びかけた。

 だが北朝鮮の祖国平和統一委員会(Committee for the Peaceful Reunification of Korea)の報道官は、朴大統領の訪米を「主人にこびへつらうための物見遊山」と酷評。さらに対北朝鮮での結託を強めたと非難しながら、朴大統領の高慢な声明により南北間の緊張は一層高まり、米韓は首脳会談によって北朝鮮侵略への「幕が開けられた」とした。

 同報道官はまた、米国寄りの政策をとった父親の朴正煕(Park Chung-Hee)元大統領についても言及し、「惨めな最期」を朴槿恵大統領は覚えているはずだと述べた。朴大統領の父親で1961年から韓国で軍事独裁政権を率いた朴正煕(Park Chung-Hee)元大統領は在任中の1979年、中央情報部長に暗殺されている。(c)AFP