【5月9日 AFP】ヘビーメタル好きで知られるインドネシア・ジャカルタ(Jakarta)首都特別州の知事が、米メタルバンドの大御所「メタリカ(Metallica)」のメンバーから贈られたベースギターをテレビで披露した後、このベースギターを国の汚職捜査機関「汚職撲滅委員会(KPK)」に提出した。

 ジャカルタ首都特別州のジョコ・ウィドド(Joko Widodo、ジョコウィ)知事は前週、メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルージロ(Robert Trujillo)さんから贈呈された栗色のベースギターをかき鳴らしながら、さっそうとテレビに登場した。ベースにはトゥルージロさんのサインと共に「ありがとう!クールでファンキーなベースを弾き続けて!」との言葉が書かれていた。

 番組内でジョコウィ知事は、メタリカの大ファンだと公言。他にもレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)やディープ・パープル(Deep Purple)、ナパーム・デス(Napalm Death)といったハードロックやヘビメタのバンドが好きだと語っていた。

 汚職で悪名高いインドネシアの中ではいたってクリーンな政治家として評判のジョコウィ知事だが、KPKによると既にプレゼントのベースを提出したという。KPKでは利害関係の有無や見返りなどがないかどうか30日以内に調べた上で、ベースを知事に返却するか、当局で押収するかを決定するという。

 ジョコウィ知事の報道官は、問題のベースはジョコウィ氏が知事就任後に初めて受け取った贈答品で、KPKには知事から自主的に提出したと説明。「知事はロックが大好きだから、喜んで受け取ったことは間違いない。でも、テニスでいえばボリス・ベッカー(Boris Becker)からラケットをもらったようなもので、記念品だ。何かと引き換えにしたわけではない」と述べている。(c)AFP