【5月8日 AFP】米国とロシアは7日、内戦が続くシリアの政権側と反体制派の双方が流血の事態を終わらせる方法を模索することを後押しするため、停戦実現に向けた国際会議の開催に向け、米露両国が一致して行動することで合意した。シリア問題についてこれまで、両国の対応の違いが目立っていた。

 就任後初めてロシアを訪問したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官はウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と2時間ほど会談した後、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と約3時間かけて会談した会談した。

 夜遅くまで続いた会談後の共同記者会見でラブロフ外相は、「米露はシリア政府と反体制側に対し、政治的な解決策を見い出すよう働きかけることで一致した」と述べた。

 米露両国は、できれば今月末までに国際会議を開催、シリア問題の平和的な解決に向けて昨年6月に関係国が打ち出した「ジュネーブ合意」に基づき、今後の対応を検討したい考えだ。6項目からなるジュネーブ合意は昨年、アラブ連盟(Arab League)のシリア特使だったコフィ・アナン(Kofi Annan)前国連事務総長が提案した。シリアの移行政権の樹立に向けた道筋を示したものだが、実行されていないうえ、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の処遇についても明確にしていない。

 ケリー長官はジュネーブ合意について、「シリア国民が新たなシリアへの道を見い出し、流血や殺害、虐殺を終わらせることを可能にするロードマップだ」と指摘。記者団に対し、内戦によって荒廃したシリアを民主的な選挙の実施に向けて導く移行政権を組織できるのは、シリア政権と反体制派だけだと言明した。(c)AFP/Stuart WILLIAMS, Jo BIDDLE