【5月4日 AFP】歴史的な総選挙を来週に控えたパキスタンで3日、カラチ(Karachi)市内のモスク(イスラム礼拝所)で礼拝を終えた立候補者の男性が銃撃を受け、一緒にいた3歳の息子とともに死亡した。警察当局が発表した。

 選挙運動中の国会議員候補が殺害されたのはパキスタン史上初めて。選挙運動はイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(Tehreek-e-Taliban PakistanTTP)」の脅迫や攻撃で妨害されており、AFPの集計によると4月11日以降、63人が殺害された。

 5月11日に予定されている国会・州議会選挙は、同国で初めて文民政府が任期を満了し、選挙で政権を引き渡す機会となる。パキスタンはその歴史の半分を軍部に支配されてきた。

 警察関係者がAFPに語ったところによると、殺害された立候補者は、息子と一緒に金曜日の礼拝を終えてモスクから帰る途中、オートバイに乗った武装集団から銃撃を受けた。

 TTPの報道官はAFPの電話取材に対し、犯行を認め、同立候補者が所属していた非宗教政党「アワミ民族党(Awami National PartyANP)」と、同党と与党連合を組んでいた「パキスタン人民党(Pakistan People's PartyPPP)」、「ムータヒダ民族運動(Muttahida Qaumi MovementMQM)」に対して今後も攻撃を行うと述べた。

 今回の事件により、選挙が候補者殺害のために延期される選挙区は計3区となった。(c)AFP/Ashraf Khan