【4月19日 AFP】イタリア議会は18日、新大統領を選出する投票を2回行ったが、ともに当選に必要な3分の2を超える得票数に至った候補はおらず、翌19日に3回目の投票が行われる。大統領選出により、新政権を発足できないまま2か月続いている政治空白に終止符が打たれることを期待する声が大きい一方で、新たな政治分裂が生まれる恐れもある。

 大統領に選出される候補は、ユーロ圏第3位のイタリア経済の不安定化という懸念を高める要因の一つとなっている政治のこう着状態を解消し、各政党を一つにまとめるという厄介な仕事に直面することになる。

 2回目の投票で投じられた票は、その大半が各政党の議員による無効票だった。納得できる候補を見出せるまで、時間稼ぎをしているという見方がある。

 1回目の投票の数時間前には、同国の二大政党連合が、政治的手腕に長けているとされるフランコ・マリーニ(Franco Marini)元上院議長(80)を推すことで合意した。だが中道左派連合のピエルルイジ・ベルサーニ(Pier Luigi Bersani)民主党書記長が対立関係にあるシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相との取引を図ったこの動きは、中道左派連合の中で大きな反発を招き、人権擁護派のステファノ・ロドタ(Stefano Rodota)元下院副議長(79)支持にまわる造反議員を生んだ。

 3回目までの投票では、全体の3分の2以上の得票が必要だが、4回目以降の投票で必要なのは過半数のみ。専門家は、現地時間19日午前10時(日本時間同日午後5時)に予定されている3回目の投票でも各党の議員が無効票を投じ、4回目の投票へ持ち越される可能性が高いとしている。(c)AFP/Ella Ide