【4月11日 AFP】フランスの元閣僚がスイスに脱税用の隠し口座を持っていた疑いで訴追された問題で、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は10日、租税回避地(タックスヘイブン)の「根絶」を目指すとともに、公務員の監視や脱税の取り締まりの強化などの対策を取ると述べた。

 ジェローム・カユザック(Jerome Cahuzac)前予算担当相は、国外口座に約60万ユーロ(約8000万円)の資産を隠し持っていたことを認め、先週訴追された。このスキャンダルの収拾に奔走しているオランド大統領は、「過剰な金、欲、隠し資産に対する容赦なき戦い」を挑むと述べた。

 オランド大統領が閣議後の記者会見で明らかにした一連の対策には、銀行が国外で行っている活動を明るみに出すことによってタックスヘイブンの利用を制限することも含まれている。

 大統領は「タックスヘイブンを欧州、そして世界から根絶しなければならない」と主張し、フランスの銀行に対し、世界各地に持つ子会社の一覧の公表と活動内容の報告を毎年求めていくことになると述べた。オランド大統領は、この対象を欧州連合(EU)全域の銀行と大手企業にも拡大したいとしている。

 大統領はまた、公務員への国民の信頼を回復するため、閣僚や議員などの資産や利害関係を監視する「完全に独立した政府機関」を設立するとも述べた。脱税対策の強化を目指す新法の法案は今月24日までに議会に提出される見込み。(c)AFP/Michael Mainville