【4月8日 AFP】パキスタン北部の町チトラル(Chitral)の選挙管理当局は7日、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)元大統領が5月11日投票の総選挙に出馬することを承認した。  

 アフガニスタンとの国境に近いチトラルの選管当局者はAFPに対し、ムシャラフ元大統領は適正な書類を提出し有罪判決も受けていないので、同元大統領の立候補を拒絶することはできないと述べた。  

 1999年の無血クーデターで権力を掌握したムシャラフ元大統領は、9年間パキスタンを統治した後、弾劾裁判に直面して2008年に辞任。自主的に出国していたが、総選挙に4つの選挙区で立候補することを目指して先月帰国していた。パキスタンでは一度に立候補できる選挙区の数に制限がなく、有力政治家は複数の選挙で出馬するのが一般的だ。  

 しかし、ムシャラフ元大統領の出身地カラチ(Karachi)では、大統領在任中に憲法に違反したことと最高裁判事を解任したことを理由に同氏の立候補を認めず、同元大統領の陣営は異議を申し立てる意向を明らかにした。パンジャブ(Punjab)州の町カスル(Kasur)と首都イスラマバード(Islamabad)でも同元大統領の立候補は認められなかった。  

 ムシャラフ元大統領は辞任から5年近くたった今も大いに論争を呼んでいるが、同元大統領が率いる全パキスタン・イスラム教徒連盟(All-Pakistan Muslim League)は選挙で政権を争える政党とは見なされていない。  

 AFPの取材によると、昨年6月から議会が解散された先月までパキスタン人民党(PPP)主導の連立政権で首相を務めたラジャ・ペルベズ・アシュラフ(Raja Pervez Ashraf)氏はイスラマバードに近い、自身の出身地であるグジャル・カーン(Gujar Khan)選挙区での立候補を認められなかった。理由は明らかにされていない。パキスタン人民党は異議を申し立てる方針。(c)AFP