【4月8日 AFP】ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)大統領は7日、有罪判決を受け服役していたユーリー・ルツェンコ(Yuriy Lutsenko)元内相(48)ら6人に恩赦を与えた。ルツェンコ氏は服役中のユリヤ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)前首相に近い人物。

 ウクライナ北部の収監施設を出たルツェンコ氏は、妻や友人たちの出迎えを受けた。2010年に逮捕されたルツェンコ氏は職権乱用罪と公金横領罪で有罪判決を受け、2014年末まで服役することになっていた。収監施設前に集まった報道陣を前にルツェンコ氏は、ティモシェンコ氏との面会を求め、今後も政界での活動を続けると語った。

 2010年の大統領選でヤヌコビッチ氏に敗れたティモシェンコ前首相は、首相在任中にロシアとのガス売買契約に関連して職権を乱用したとして2011年に禁錮7年の刑を受けて服役中。7日はゲオルギー・フィリプチュク(Georgy Filipchuk)元環境相も恩赦を受けたが、ヤヌコビッチ大統領は以前からティモシェンコ前首相の恩赦は否定しており、今回の恩赦令でもティモシェンコ氏への言及はなかった。

 今回の恩赦は、欧州連合(EU)と野党勢力からの圧力を受けたもの。米国はティモシェンコ前首相とルツェンコ氏の収監を強く批判し、EUは前首相らが釈放されるまでウクライナとの重要な貿易協定の調印を拒否している。(c)AFP