【3月21日 AFP】仏警察は20日、国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事(57)が仏財務相在任中に実業家と仏銀行間で起きたトラブルに介入した職権乱用の疑いで、ラガルド氏のパリ(Paris)の自宅を家宅捜索した。

 ラガルド氏は2007年、実業家ベルナール・タピ(Bernard Tapie)氏と経営破綻した仏大手銀行クレディ・リヨネ(Credit Lyonnais)間の係争問題を調停委員会で裁定することを決め、その結果、銀行側はタピ氏に約4億ユーロ(約497億円)の賠償金を支払うよう命じられた。

 ラガルド氏が同係争を調停に持ち込んだことに対する疑惑が浮上する中、同氏の弁護人はAFPに対し、ラガルド氏は捜査に協力的で、「何も隠し立てすることはない」と語った。ラガルド氏は同件について「当時、最良の解決法」だったと述べている。

 タピ氏は社会党のフランソワ・ミッテラン(Francois Mitterand)大統領政権で閣僚を務めたが、2007年と2012年の大統領選挙では右派のニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)前大統領を支持した。このために当時サルコジ政権の財務相だったラガルド氏から便宜供与を受けたのではないかという見方がある。(c)AFP/Beatrix BACONNIER MARTIN