【3月15日 AFP】英シンクタンク「国際戦略研究所(International Institute for Strategic StudiesIISS)」の上級アナリストは14日、世界の軍事力に関する年次報告書を発表し、北朝鮮は今年中に韓国に対して挑発的な攻撃を行う可能性が高いと指摘した。

 若くして指導者となった金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の下でも、北朝鮮の「先軍政治」の原則は全く変わっていないと、同研究所は述べている。

 同研究所のマーク・フィッツパトリック(Mark Fitzpatrick)軍縮・核不拡散プログラム部長によると、世界の主要国は北朝鮮の脅威に懸念を高めている。同氏はAFPに「北朝鮮は、日本および朝鮮全域を攻撃可能な弾道ミサイルを保有しているため、重大な脅威となっている。また、このミサイルの弾頭に取り付けることも可能かもしれない核兵器を有している。さらには、あらゆる次元を超えた発言と先制攻撃の性向をも併せ持っている」と述べた。

 また、向こう数週間のうちに先制攻撃を仕掛けるのは、米韓両軍の合同軍事演習が現在行われているため「危険」かもしれないが、「北朝鮮が今年中に何らかの挑発行為を実行するのは確実と、アナリストの大半はみている」という。

 同研究所の年次報告書「ミリタリー・バランス(Military Balance)」によると、北朝鮮は2012年も引き続き、核兵器とそれに密接に関連した長距離ミサイル兵器の開発に取り組んできたという。

 北朝鮮は13日、朝鮮戦争(Korean War)の終戦以降60年間続いた休戦協定の破棄を宣言し、次の段階は、敵国に対して「容赦ない」軍事報復になると警告。朝鮮半島の軍事的緊張は、近年で最高に高まっている。(c)AFP/Robin MILLARD