【3月11日 AFP】南アフリカ大統領府の発表によると、ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領(94)は「定期的な健康診断」のために病院に1泊して10日、帰宅したという。

「ネルソン・マンデラ元大統領は本日午後、首都プレトリア(Pretoria)の病院で無事検診を終えて、ヨハネルブルク(Johannesburg)の自宅に戻った」と、マック・マハラジ(Mac Maharaj)大統領報道官は電子メールの声明で述べた。

「病院の医師による予定の検査はすべて完了した。元大統領の体調は良好で、健康状態は今後も同病院の医療チームによって管理される」(マハラジ報道官)

 マンデラ氏は9日、「年齢を踏まえた現状の健康管理を目的とする定期検診」を受診するために病院に入院した。

 昨年末に肺感染症と胆石の治療を受けたマンデラ氏の新たな入院の知らせを受け、94歳という高齢の同氏が再び病に倒れたのではないかとの懸念が巻き起こった。

 関係当局は、マンデラ氏が入院したプレトリアの病院名を明らかにしていない。だが、目撃者がAFPに語った話によると、メディクリニック・ハート病院(Mediclinic Heart Hospital)内の、マンデラ氏が昨年12月に18日間入院していた病棟では9日、一般の患者はすべて別の病棟に移されたという。病院側は病棟の壁の塗り替えをするためと患者に説明したが、病棟付近への立ち入りは一切禁止された。

 昨年12月の入院は、マンデラ氏の「年齢相応の」検診のためと伝えられた。また、同氏が2011年1月に詳細不明の急性呼吸器感染症で2日間入院した際も、当初は「定期的な」検査のためとされていた。

 マンデラ氏は近年、公の場を避け、東ケープ(Eastern Cape)州クヌ(Qunu)の自宅で暮らしている。

 マンデラ氏の公式に公開された最後の写真は、昨年8月に当時のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官が同氏を訪問した際に一緒に撮影されたものだ。

 マンデラ氏の孫娘2人は2月初めに、1番末のひ孫と肘掛け椅子に座って微笑む同氏の写真を公開した。(c)AFP/Johannes MYBURGH