【3月8日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は7日、北朝鮮の3度目の核実験に対する追加制裁決議案を全会一致で採択した。北朝鮮はこれに先立ち、米国に核先制攻撃の権利を行使すると威嚇。国際社会の緊張が高まっている。

 同決議は国連の制裁リストに対象者名を追加したほか、北の金融取引、とりわけ「現金の大量輸送」に対する規制を強化している。

 スーザン・ライス(Susan Rice)米国連大使は「今回の一連の制裁は、痛み、それも激しい痛みを与えるだろう」と記者団に語った。「北朝鮮の孤立を高め、同国の指導者らが国際社会に反抗するつけは高くなる」

 決議は渡航禁止および資産凍結のリストに、新たに3個人、政府の研究機関と商社1社を加えた。うち2個人は、朝鮮鉱業開発貿易会社(Korea Mining Development Trading Corporation)の最高幹部。決議は同社を北朝鮮の「主要な武器商社で、弾道ミサイルおよび通常兵器に関連した物品と設備の中心的な輸出業者」としている。

 同決議はまた、北朝鮮外交官に対する「警戒を高める」よう呼びかけている。米当局は、北朝鮮の外交官が現金の詰まったスーツケースを手に帰国し、金融制裁を迂回しているとみている。
 
 対北朝鮮禁輸品目については、安保理はこれまでにもぜいたく品を対象に加えていたが、今回の決議で初めて宝飾品、ヨット、高級車やレーシングカーといった具体例を明示した。(c)AFP/ Tim Witcher