【3月3日 AFP】エジプトを訪問したジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は2日、カイロ(Cairo)でエジプトのムハンマド・カメル・アムル(Mohammed Kamel Amr)外相と会談した。会談後の共同記者会見でケリー国務長官は、深刻な経済危機から脱するための援助を受けるには意見の一致が必要だとして、対立が深まっているエジプトの各政治勢力に対し、相互に譲歩するよう促した。

 共同記者会見でケリー国務長官は、「エジプトの人々にとって最も重要な問題について、全ての陣営は意味のある妥協をする心構えがなければならない」と述べた。エジプトでは、主にイスラム主義者からなるムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)大統領側の勢力と、モルシ大統領が経済的・政治的課題に十分対処できていないとする幅広い野党勢力の対立が深まっている。

 ケリー国務長官は、3日に予定されているモルシ大統領との会談で、エジプトが経済危機を脱するために米国が提供できる方策について協議すると述べた。「私が再び強調したいのは、我々は干渉するにはここ来たのではなく、話を聞くために来たということだ」とケリー国務長官は述べた。

 ケリー国務長官はエジプト経済界の要人らとも会談し、48億ドル(約4500億円)に上る国際通貨基金(International Monetary FundIMF)による融資の重要性を強調した。IMFはエジプトの各政治勢力が一定の合意に達することを一部の融資の条件にしている。(c)AFP/Nicolas Revise