「中国軍がハッキングに関与」、米セキュリティ企業が報告
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【2月20日 AFP】米情報セキュリティー企業マンディアント(Mandiant)は19日、中国軍の管理の下にサイバー攻撃を行う有能なハッカーは少なくとも数百人規模に上るとする報告書を発表した。サイバー攻撃の発信元を追跡したところ、上海(Shanghai)にある建物にたどり着いたという。
マンディアントは、同社が数多く実施した調査の結果、米国の新聞社や政府機関、企業などのハッキングを行う複数のグループが「中国国内を第1の拠点とし、中国政府もこれらグループの存在を認識している」との結論に至った。
報告書ではそのうちの「APT1」と呼ばれる1グループに焦点を当てた。APTは「Advanced Persistent Threat(高度で執拗な脅威)」の頭文字をとったもの。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は複数の専門家の話として、このグループは米国の電力網などの重要インフラを標的にしていると報じている。
マンディアントは「APT1が長期的で広範囲のサイバースパイ活動を行うことが可能なのは、政府の直接的支援を受けていることが大きな理由」だと述べている。
報告書によると、APT1は人民解放軍の「61398」と呼ばれる部隊に属していると考えられている。APT1が行ったサイバー攻撃元をたどったところ、上海近郊にある12階建てビル近辺にたどり着いたという。
マンディアントは「この報告書でわれわれが提示した証拠を総合すると、APT1が61398部隊であるとの主張を強く支持するものとなる」と述べ、APT1には「数百人、あるいは数千人の人員が配置されている」との推計も示した。
中国国防省はAFPに宛てた声明で「中国軍はいかなるハッキング行為も支援したことはない」と述べ、関与を否定した。
また中国外務省も、中国政府がハッキングに関与したとの主張は「事実無根」だと一蹴。さらに中国政府もサイバー攻撃の主要な標的となっているとして、外国からの攻撃の大半は米国から行われていると主張した。(c)AFP/Veronika Oleksyn