【2月12日 AFP】米国防総省は11日、米軍の異性愛カップルが受けている手当などの一部を同性愛カップルにも拡大すると発表した。

 レオン・パネッタ(Leon Panetta)国防長官は記者会見で、「米兵として国のために尽くす全ての男女に同等の待遇を与えることは、基本的な公正さの問題だ」と述べた。 

 これにより米軍人の同性パートナーが身分証明証の発行を受けたり、軍の病院で治療を受けたり、若者向けプログラムや教育プログラムに参加することを認められるほか、パートナーの軍人が死亡した場合に遺族手当を受け取れるようになる。

 今回の措置の恩恵を受けるのは米軍の約1万7000組のカップルで、このうちおよそ5600人が現役で任務に就いている。

■「結婚防衛法」が妨げに

 その一方でパネッタ長官は、結婚を男女間のものに限定した連邦法「結婚防衛法(Defense of Marriage Act)」の存在が、軍の同性カップルの待遇を異性カップルと完全に同じにする妨げになっていると指摘した。

「手当などの中には、現在、連邦最高裁判所で審理されている結婚防衛法で配偶者と規定される人にしか提供できないものもある」(パネッタ長官)

 同性カップルが受け取れない手当として国防総省筋は医療手当や住宅手当などを挙げた。国防総省の司法担当チームは現在、結婚防衛法に抵触せずに同性カップルに米軍基地内の住宅を供与する方法を模索しているという。(c)AFP