【2月8日 AFP】米上院で7日に開かれた米中央情報局(CIA)の次期長官人事の承認公聴会で、米国の無人機による対テロ作戦を非難する抗議団体が進行を妨害し、警官隊によって退場させられる場面があった。

 バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領から次期CIA長官に指名されたジョン・ブレナン(John Brennan)大統領補佐官は米上院情報委員会(Senate Intelligence Committee)に対し開会のあいさつを述べようとしたが、「無人機作戦に断固抗議する」などと叫ぶ抗議者らによって繰り返し妨害された。

 妨害行為が5回繰り返されると、同委員会の議長を務めるダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)上院議員(民主党)は、妨害を行っていた反戦団体「コード・ピンク(Code Pink)」のメンバーらを会場から連れ出し、再度の入室を禁じるよう警官隊に指示した。

 ブレナン補佐官は、米国が秘密裏に進めている、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に対する無人機を使った大規模な軍事作戦の立案者とみられている。オバマ大統領と補佐官らはこれまで、この作戦について公の場で語ることを避けてきた。

 パキスタン、イエメン、ソマリアなどの地域で行われている、アルカイダ系の戦闘員とみられる個人を対象とした「標的殺害(targeted killing)」は、人権擁護団体から違法な隠密作戦として非難を受けてきた。

 一方で、米議員の大半は、こうした軍事作戦を、大規模な軍事作戦に部隊を投入することなくアルカイダ系過激派に対抗できる有効な手段として支持している。(c)AFP