【2月7日 AFP】チュニジアの野党指導者、ショクリ・ベライド(Chokri Belaid)氏(48)が6日、同国の首都チュニス(Tunis)の自宅前で射殺された。同氏の支持者らは、殺害の背後に与党イスラム穏健派政党アンナハダ(Ennahda)がいるとしてアンナハダの事務所を襲撃するなどの抗議行動を起こした。

 モンセフ・マルズーキ(Moncef Marzouki )大統領は、政権を厳しく批判していたベライド氏の射殺について「憎むべき暗殺」と批判。アンナハダのラシド・ガンヌーシ(Rached Ghannouchi)党首はAFPに、殺害者はチュニジアを「血の海」にすることを望んでいると述べた。

 ベライド氏射殺を受けて、約2000人がチュニスの内務省周辺に集結して罵声を浴びせ、暗殺の背後にはアンナハダの存在があると非難した。

 AFP記者や目撃者によると、デモ隊は中部シディブジッド(Sidi Bouzid)近郊のメッズーナ(Mezzouna)にあるアンナハダ事務所に火を放ったほか、炭鉱の町カフサ(Gafsa)でもアンナハダの旗を破るなど事務所を荒らした。シディブジッドはジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)元大統領の政権を打倒した2011年の革命の発祥地。目撃者の話では、ここでも約2000人がデモを行い、警官は催涙ガスを使用したという。

 ハマディ・ジェバリ(Hamadi Jebali)暫定首相は、ベライド氏が6日朝に自宅を出ようとした時、伝統的なフード付きの丈の長い服を着た男が同氏に向けて至近距離から銃弾3発を発射したと説明した。(c)AFP/Kaouther Larbi