【1月29日 AFP】オーストラリアのジュリア・ギラード(Julia Gillard)首相のパートナー、ティム・マシーソン(Tim Mathieson)氏が自身の発言の中で性差別的な発言があったとして29日、謝罪した。ギラード首相は前年、議会での性差別を糾弾する演説をして世界のメディアを賑わした。

 男性の健康に関する啓蒙活動を行っているマシーソン氏は28日夜、首都キャンベラ(Canberra)の首相官邸で開かれた西インド諸島のクリケット・チームの歓迎会で、前立腺がんの定期検診の必要性について説いた。

 その中で「私たち(男性)は誰も検診を受けたがらないが、やるべきだということは分かっている・・・血液検査もあるが、前立腺について正しい状態を把握するにはデジタル検査しかない。ぜひ検査に行ってほしい。それからたぶん、アジア人の小柄な女性医師を探すのが一番いいかもしれない」と述べた。

 この時は会場から笑い声があがったが、野党はマシーソン氏の発言は悪趣味だと批判。マシーソン氏は後から「ジョークのつもりだったが、振り返ってみると、確かに悪趣味だった。気分を害した全ての方に謝罪する」と声明を発表した。

 マシーソン氏のパートナーのギラード首相は同国初の女性首相で、2012年10月に議会で野党・自由党(Liberal Party of Australia)のトニー・アボット(Tony Abbott)党首に対し「性差別と女嫌いについて、この男の説教は聞きたくない」と痛烈な批判を浴びせたことで話題となった。歓迎会でのパートナーの発言を傍らで聞いていたギラード首相は29日、マシーソン氏が検診を勧めるメッセージを広めようと一生懸命だったのだと弁明しながらも、「悪趣味な冗談だった」と謝罪したことは正しいと述べた。(c)AFP